episode0-1 | 尿膜管遺残症とは

尿膜管遺残症ってどんな病気?

尿膜管遺残症とは、胎児の時に存在するおへそと膀胱をつなぐ管(尿膜管)が、通常は成長するとともに閉じてなくなってしまうのに成人になってもそのまま閉じずに残ってしまった状態のことです。

尿膜管のどこがどれだけ開いてしまっているかにより症状が違いますが、一般的にはおへそに近い場合は浅くて症状も軽く膀胱に近いほうが深くて重症なようです。

尿膜管遺残症であっても一生を通じて特に症状が出ない場合もありますが、この残ってしまった尿膜管が何らかの菌に感染してしまうと膿瘍、のう胞や悪性腫瘍になってしまいます。

尿膜管遺残症と診断されても感染したりしなければ一生そのままでも問題はないのですが、何度も感染を起こしたり稀にがんが発生してしまうことがあります。

そのようなリスクを考慮して手術で取ってしまったほうがいいという考え方と、手術は身体に負担がかかるので症状が重くなければそのままでもいいという考え方のお医者さんがいます。

主な症状

尿膜管遺残症に起因する感染によって、おへそから膿が出たりおへそが腫れてしまいます。

発熱や腹痛を伴い、悪化してしまうと腹膜炎を起こす場合もあります。

膀胱に近い部分で感染を起こすと、尿が濁ったりするなどの尿異常が現れる場合もあります。

ごく稀に悪性腫瘍が発生することがあり、血尿などの症状が現れることもあります。

受診科と検査の内容

尿膜管遺残症の症状が出た場合は小児外科、外科や泌尿器科を受診する必要がありますが、一般的には泌尿器科にて治療や手術をするようです。

検査は尿膜管遺残症の状態やおへそのまわりの炎症の程度を調べるためにCTやMRIなどが行われます。

また、おへそから膀胱までの遺残物の範囲を把握するため、造影剤を使用してCTやレントゲンを行うこともあります。

治療方法

おへそが炎症を起こしたり症状がある場合や腫瘍が疑われる場合は、根治治療として尿膜管の摘出手術が必要になります。

炎症が起きている状態で手術はできないので、まずは膿を出して洗浄したり抗菌剤などを服用して炎症を抑える治療を行います。

炎症が収まった後に摘出手術を行いますが、おへその下を開腹する方法とお腹の数か所に穴を開けて腹腔鏡で行う方法があります。

どちらも全身麻酔下で行い、術後はだいたい2、3日で退院できる方が多いようです。

手術するかしないかは自分で決めるしかないのですが、私がいろいろ調べた限りでは一度感染を起こしてしまった場合はよほど症状が軽いような場合を除いて手術をして取ってしまったほうがいいようです。

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